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がん免疫学:樹状細胞への全身的RNA送達は抗ウイルス防御を利用したがん免疫療法である

Nature 534, 7607 doi: 10.1038/nature18300

リンパ器官は、抗原提示細胞(APC)がT細胞のごく近傍に存在しているため、T細胞応答の効率の良いプライミングや増幅に理想的な微小環境といえる。しかし、ワクチン抗原の樹状細胞(DC)への全身性送達は、さまざまな技術的難問によって成功していない。今回我々は、よく使われている脂質キャリヤーを用いたRNA/脂質複合体、すなわちRNA-リポプレックス(RNA-LPX)の正味電荷を最適に調整した上で、これを静脈内投与すればin vivoでDCを正確かつ効率的に標的とすることが可能で、分子リガンドを含む粒子の官能基化は必要でないことを示す。このLPXは、細胞外のリボヌクレアーゼからRNAを防御し、さまざまリンパ系区画でDC集団やマクロファージによる効率的な取り込みおよびコードされた抗原の発現を仲介する。RNA-LPXは、形質細胞様DCやマクロファージによるインターフェロンα(IFNα)放出を引き起こす。その結果、in situでのDC成熟や、ウイルス全身感染の初期段階に類似した炎症性免疫機構が活性化される。ウイルス、変異体由来の新抗原、あるいは内因性自己抗原をコードするRNA-LPXは、強力なエフェクターT細胞応答および記憶T細胞応答を誘導し、進行性腫瘍のIFNαに依存性する強力な拒絶を仲介することが分かった。現在、共有腫瘍抗原をコードするRNA-LPXを評価する投与量漸増第I相臨床試験が進行中である。低投与量レベルで治療を受けた最初の3人の黒色腫患者では、IFNαと強力な抗原特異的T細胞応答が誘導されたことから、明らかにされた作用様式や有効性が裏付けられた。RNA-LPXは、ポリペプチドを基盤とするどのような抗原もRNAとしてコードできるので、全身投与でDCを標的にできる広く適用可能な種類のワクチンに当たり、がん免疫療法では、非常に強力な適応免疫機構に加えて、I型IFNによる自然免疫機構も同時に誘導することができる。

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