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統計物理学:閉じ込め中の非マルコフ酔歩者の平均初到達時間
Nature 534, 7607 doi: 10.1038/nature18272
閉じ込め領域中の目標点に酔歩者が到達するのにかかる時間として定義される初到達時間は、確率過程の理論における基本的に重要な量である。その重要性は、拡散律速反応、目標探索過程、病気のまん延といった多様な過程の効率の定量化におけるその重要な役割に由来する。閉じ込められた領域中の初到達時間の特性を決める方法の大半は、マルコフ(記憶がない)過程に限定されていた。しかし、酔歩者がその環境と相互作用するや否や、記憶効果は無視できなくなる。すなわち、酔歩者の将来の運動は、現在の位置だけでなく、過去の軌跡にも依存する。非マルコフダイナミクスの例には、細いチャネル中の一列縦隊拡散、高分子鎖に付着したトレーサー粒子の運動、単純流体や、ネマチック液晶、高密度のソフトコロイド、粘弾性溶液といった複合流体中を拡散するトレーサー粒子の運動などがある。本論文では、大きな閉じ込め体積の極限で、ガウス型非マルコフ酔歩者の目標への平均初到達時間を計算する解析的方法を紹介する。このダイナミクスの非マルコフ的特徴は、初到達事象が生じた後に酔歩者が進むであろう仮想的な軌跡の統計的特性を決定することによって網羅され、この性質が初到達時間の速度論を支配することが示された。この解析は、長い時間相関することがある広範囲の確率過程に適用できる。今回の理論予測は、1以上の次元での分数ブラウン運動の事例を含む非マルコフ過程のいくつかの例に対する数値シミュレーションによって確かめられた。こうした結果から、ガウス過程に基づいて、閉じ込められた非マルコフ酔歩者の初到達の統計における記憶効果の重要性が明らかになった。

