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幹細胞:コリプレッサーCBFA2T2は多能性と生殖系列の発生を調節する
Nature 534, 7607 doi: 10.1038/nature18004
生殖細胞の発生運命の指定は遺伝の核心部分であり、これは、生殖細胞が世代間で伝達される全ての遺伝情報とエピジェネティクス情報を含んでいるためである。生殖系列を体細胞系列と区別する重要な発生事象は、受精によって個体全体を生み出す性特異的配偶子の前駆細胞すなわち始原生殖細胞(PGC)の分化である。生殖細胞は、単能性と多能性の状態を切り替えることで、独自の「潜在的な」多能性状態を示す。例えばPGCは、胚性幹(ES)細胞とも共通のOCT4(Pou5f1にコードされる)、SOX2、NANOGおよびPRDM14など多数の転写因子を発現する。これらの転写因子はクロマチンに集まり、ES細胞およびPGCに特異的な転写プログラムの基盤となる大掛かりな再編成を行うが、その生化学的機構についてはほとんど分かっていない。今回我々は、マウスにおいて多能性と生殖系列の運命指定を調節する新規のコリプレッサータンパク質CBFA2T2を見いだした。Cbfa2t2−/−マウスは、PGCの成熟とエピジェネティックな再プログラム化に深刻な異常が見られる。CBFA2T2は、生殖系列特異的な転写因子であるPRDM14と生化学的複合体を形成する。機構としては、CBFA2T2はオリゴマー化して、PRDM14とOCT4がクロマチン上で安定化するための足場を形成する。このようにCBFA2T2は、従来考えられてきたコリプレッサーの「乗客」としての役割とは異なり、単能性と多能性の間にある根本的な発生可塑性の岐路において他の転写因子と相乗的に機能している。

