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構造生物学:ナノディスク中のTRPV1構造から明らかになったリガンドと脂質の作用機構

Nature 534, 7607 doi: 10.1038/nature17964

内在性膜タンパク質が界面活性剤などの人工的な系中で可視化された場合には、脂質との相互作用やタンパク質構造へのそうした相互作用の影響に関する情報の重要な部分が失われてしまう。これは、脂質が構造と調節の両方の役割を持つようなタンパク質の場合にとりわけ問題となる。今回我々は、低温電子顕微鏡法と脂質ナノディスク技術を組み合わせて用いて、天然状態の脂質二重層環境中にあるラットTRPV1イオンチャネルの構造を解明し、この手法が強力であることを実証した。この手法を使って、輪状の調節性脂質の位置を決定し、特定のリン脂質との相互作用が三者複合体の形成を介してTRPV1へのクモ毒の結合を強めることが明らかにされた。また、脂質のホスファチジルイノシトールがカプサイシンなどのバニロイドリガンドの結合部位を占拠している。このことから、化学的刺激や熱刺激が重要なアロステリック調節部位からの生物活性を持つ脂質の遊離を促進して、チャネル活性化を引き起こすという機構が考えられる。

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