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ナノテクノロジー:化学燃料で動く自律型小分子モーター

Nature 534, 7606 doi: 10.1038/nature18013

分子マシンは、あらゆる機能性分子の中で最も複雑なものの1つであり、ほぼ全ての生物学的過程の中核となっている。分子筋肉、合成装置、ポンプ、ウォーカー、輸送体、光や電気で駆動される回転モーターなど、多くの合成小分子マシンが開発されている。しかし、生物分子モーターは化学勾配やアデノシン三リン酸(ATP)の加水分解で動くが、これまでのところ、化学エネルギーを用いて自律的に動作し得る合成小分子モーター(すなわち、化学燃料が存在するかぎり、正味の方向性を持って動く部品)は存在しない。今回我々は、小さな分子の輪(マクロ環)が、化学燃料9-フルオレニルメトキシカルボニル・クロライドの不可逆反応によって動力を得ると、環状分子の軌道の周りを一方向に連続的に輸送されるシステムについて報告する。設計のカギは、この燃料と環状の軌道上の反応部位の反応の速度が、マクロ環が反応部位に近いときよりも反応部位から離れているときに速いことである。我々は、軌道上の反応サイトから離れたマクロ環の移動を一方向に制限する炭酸塩形成反応が、大きなピリジン系触媒によって促進されることを見いだした。9-フルオレニルメトキシカルボニル基の結合と切断が異なる過程を通して起こり、切断反応はマクロ環の位置と無関係な速度で起こるという反応条件下で、この分子モーターの正味の方向性を持つ回転は、未反応の燃料が残っているかぎり続く。我々は、化学燃料によって動く自律的分子モーターが、分子ナノテクノロジーにおいてエンジンとして応用されると予想する。

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