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分子生物学:緊縮調節のリボソーム依存性活性化

Nature 534, 7606 doi: 10.1038/nature17675

細菌は、生き残るために環境の変動を絶えず感じ取り、それに応じた反応をとる。緊縮調節は、栄養飢餓に対する細菌の重要なストレス応答で、代謝パターン、遺伝子転写パターンが迅速かつ包括的に再プログラム化される。一般に、成長や増殖に関わる遺伝子の転写は抑えられ、生存や毒性に重要な役割をする遺伝子の転写は亢進する。アミノ酸飢餓の状態は、アミノアシル化tRNAプールの枯渇によって感知され、A部位にアミノアシル化されていない(チャージされていない)tRNAが入って立ち往生したリボソームがたまることになる。RelAは停止したリボソームの所に誘導され、それにより活性化されて過剰リン酸化型のグアノシン誘導体(p)ppGppを合成し、これは多面的な作用を持つセカンドメッセンジャーとして働く。しかし、RelAが停止したリボソームを認識し、アミノアシル化されたtRNAと区別する仕組みについて、構造面からの情報は得られていなかった。今回我々は、RelAについて、アミノアシル化されていないtRNAが入って停止した細菌リボソームに結合した状態の低温電子顕微鏡構造を明らかにした。この構造から、RelAは翻訳因子が結合するのとは別の結合部位を用いており、複数のドメインからなる構造が、A部位の大きくゆがんだtRNAの周囲に巻き付いていることが明らかになった。RelAのこのTGS(ThrRS, GTPase and SpoT)ドメインはtRNAのCCA尾部に結合して、末端アデノシンの遊離の3′ヒドロキシル基を、1本のβ鎖の方向に向けさせる。この位置にアミノアシル化されたtRNAがある場合にはこのような結合は立体的に妨げられる。この構造から、リボソームへのRelAの結合が自己阻害を抑制し、(p)ppGppの合成を活性化して緊縮調節を開始させるというモデルが裏付けられた。緊縮調節はストレス条件下に置かれた病原性細菌を生き残らせる原因であり、慢性感染や抗生物質耐性の一因となっていることから、RelAは新規抗生物質開発の良い標的となるだろう。

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