Letter

量子情報:超伝導回路によるディジタル化断熱量子計算

Nature 534, 7606 doi: 10.1038/nature17658

物理学や化学の複雑な問題が物理的装置にプログラミングできるならば、量子力学はそれらを解決するのに役立つ。断熱量子計算では、系は単純な初期ハミルトニアンの基底状態から、計算問題が符号化された最終のハミルトニアンへとゆっくり発展する。この方法の魅力は単純さと一般性を組み合わせた点にあり、原理的にはどんな問題も符号化できる。実際には、接続性に対する制限、利用できる相互作用、ノイズの存在によって、この手法の応用範囲は限定される。これに対する相補的な方法がディジタル量子計算である。これは、任意の相互作用を構築でき、エラー訂正と互換性があるが、計算問題に特有の量子回路アルゴリズムが必要となる。今回我々は、両方法の利点を組み合わせて、超伝導系でディジタル化断熱量子計算を実装した。我々は、トモグラフィーによってディジタル化発展中の系をプローブし、系のサイズに応じたエラーの増減を調べた。次に全系が、問題ハミルトニアンのランダムなインスタンスに対する解を見つけ出すようにした。ここでのハミルトニアンは、一次元イジング問題や、さらに複雑な相互作用を含む問題である。この断熱アルゴリズムのディジタル量子シミュレーションは、最大9個のキュービットと最大1000個の量子論理ゲートで構成される。固体でディジタル化断熱量子計算が実証されたことから、長距離相関の合成や、複雑な計算問題解決への道が開かれる。また、フォールトトレランスと組み合わせれば、今回の方法はスケーラブルな汎用アルゴリズムとなる。

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