Letter
考古学:フランス南西部ブルニケル洞窟の奥にある初期ネアンデルタール人の構築物
Nature 534, 7605 doi: 10.1038/nature18291
ネアンデルタール人の文化に関しては分かっていることが極めて少なく、特に初期ネアンデルタール人の文化についてはほとんど分かっていない。石器類や非常に優れた骨角器を除くと、人工物はほとんど保存されていない。残っているものの中に赤色や黒色の顔料や埋葬地などがあるが、このような現代性を示すものは極めて乏しく、年代が正確に判明しているものもほとんどないため、現生人類に先行したこの人類に関する知識は大幅に限定されている。今回我々は、フランス南西部ブルニケル洞窟の奥で発見された、折れた石筍でできた環状構築物の年代について報告する。これらの石筍サークルの秩序ある形状や、折れた石筍の配置、複数の火をたいた痕跡は、こうした構築物が人為起源であることを示している。これらの構造物や焼けた骨の上に再成長した石筍に対してウラン系列年代測定を行い、その結果を構造物の石筍先端部の年代測定と組み合わせることで、17万6500年(± 2100年)という確実で再現性のある年代を得た。この年代は、これらの構造物が、人類が作った年代の明らかな既知の建造物として最も古い部類に属することを示している。この構造物が洞窟の入り口から336 mの所に存在することは、この年代の人類がすでに地下環境を使いこなしていたことを示しており、これは人類の現代性の重要な一段階だと考えられる。

