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進化遺伝学:チョウおよびガの擬態や隠蔽を制御するcortex遺伝子
Nature 534, 7605 doi: 10.1038/nature17961
チョウやガ(鱗翅類)の翅の紋様はさまざまであり、自然選択による進化的多様化の顕著な例である。鱗翅類の翅の色紋様は重要な革新の1つであり、有色の鱗粉が規則正しく並んで作り出されている。こうしたパターンがどのように制御されているのか、また、この制御が16万種のガや1万7000種のチョウの全体にわたって何らかの共通性を示すのかどうかについては、全般的な理解がいまだに得られていない。今回我々は、集団ゲノミクスによる詳細なマッピングと遺伝子発現解析を用いて、cortex遺伝子が、ドクチョウ属(Heliconius)のチョウの擬態放散全体にわたる複数の種でパターン切り替えを調節していることを明らかにする。cortexは、細胞周期調節因子の高度に保存されたfizzyファミリーの中で急速に進化しているサブファミリーに属していることから、おそらく鱗粉細胞の発生を調節することで色素沈着のパターン形成を調節していると考えられる。今回の結果は、オオシモフリエダシャク(Biston betularia)で新たに得られた知見とともに、この機構が鱗翅類内で一般的であること、また、cortexが、この昆虫分類群で見られる色や紋様の変動に対して掛かる自然選択の重要な標的となってきたことを示唆している。

