Letter

宇宙物理学:はくちょう座V404星の激しいアウトバースト時の円盤風によるブラックホール降着の調節

Nature 534, 7605 doi: 10.1038/nature17446

ブラックホールへの物質の降着は一般的に、強い輻射フィードバックと強力なアウトフローを伴っている。特にブラックホールトランジェントには、その特性が降着流の特性と強く結び付いているアウトフローがある。こうしたアウトフローには、ブラックホールを取り囲んでいる降着円盤から放出される、電離物質のX線の風と、絞り込まれた電波ジェットが含まれる。ごく最近、恒星質量のブラックホールを持つトランジェント天体はくちょう座V404星で、可視光領域における明瞭な変動パターンが報告されており、巨大な降着円盤の内側の領域への分断された質量流であると解釈されている。本論文では、はくちょう座V404星における、これまで観測されたいずれのものとも異なる持続的な外側の降着円盤風の観測について報告する。我々は、流出する風が中性で、被覆率が高く、光速の1%の速度で膨張していることを見いだし、いったん降着が急激に減少して放出物が光学的に薄くなると、星雲期開始のきっかけとなることを明らかにした。太陽質量の10−8倍を超える大きな質量の放出は、外側の円盤の相当な部分が風によって枯渇したときに、アウトバーストが早期に終了して、円盤の内側の領域が残りの部分から切り離されたことを示している。大きな降着円盤を伴うトランジェントによって示される、明るいが短期間の降着段階は、このアウトフローがブラックホールへの質量降着を調節する、おそらく基本的な要素であることを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度