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電池技術:低温で自己発熱するリチウムイオン電池構造

Nature 529, 7587 doi: 10.1038/nature16502

リチウムイオン電池は、0°C未満の温度において電力が大幅に低下するという問題を抱えているため、寒冷地の電気自動車や高高度ドローンなどへの応用が制限されている。そうした電力低下の実用面への影響は、エンジンのコールドクランキング用にさらに大型で高価な電池パックが必要になり、寒冷時の充電に時間がかかり、回生制動が制限され、車の航続距離が最大で40%短くなることである。これまでのリチウムイオン電池の低温性能向上の試みは、電解質の低温挙動を向上させる添加剤の開発や、セルの外部加熱と断熱に重点が置かれていた。今回我々は、外部加熱デバイスや電解質添加剤を必要とせずに、0°C未満の温度から自己発熱するリチウムイオン電池構造、すなわち「全気候型電池」セルを報告する。この自己発熱機構によって、高い充放電電力に有利な電気化学的インターフェースができる。我々は、そうしたセルの0°Cへの内部温度上昇は、−20°Cで20秒以内に、−30°Cで30秒以内に起こり、セル容量がそれぞれ3.8%、5.5%しか消費されないことを示す。この自己発熱する全気候型電池セルの放電電力は、−30°Cにおいて50%充電状態で1061 W kg−1で、再生電力は1425 W kg−1であり、最先端のリチウムイオン電池の6.4~12.3倍の電力を供給する。我々は、この全気候型電池によって、毎年製造される8000万台の自動車について5~10%の燃料を節約できるエンジン始動停止技術が実現可能になると予測する。また、自己発熱に使われるのは電池エネルギーのほんの一部であることを考えると、この全気候型電池セルがプラグイン電気自動車やロボット工学、宇宙探査への応用に役立つことが立証される可能性もあると、我々は予想する。

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