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構造生物学:転写中の哺乳類RNAポリメラーゼIIの構造

Nature 529, 7587 doi: 10.1038/nature16482

全ての真核細胞において、タンパク質コード遺伝子の転写の際にメッセンジャーRNAを生成するのは、RNAポリメラーゼ(Pol)IIである。Pol IIの構造は、2種の酵母で、X線結晶解析により高分解能で明らかにされている。しかし、哺乳類Pol IIの構造研究は、ヒトPol II、およびヒトPol IIとさまざまなタンパク質との複合体の、低分解能電子顕微鏡解析に限定されていた。今回我々は、DNA鋳型とRNA転写産物を含む転写複合体型の哺乳類Pol IIについて分解能3.4 Åでの低温電子顕微鏡構造を報告する。我々は、7個のアミノ酸残基以外はヒトの酵素と同一である、ウシのPol IIを用いた。得られた原子モデルは、酵母のPol IIとよく似ていたが、知られていない特徴も明らかになった。ポリメラーゼへの核酸の結合には、可動性のPol IIクランプと活性のある中央部分との「誘導適合」が関与している。転写バブルのDNA下流は、Pol IIのサブユニットRPB5のjawドメイン中の保存された「TPSAモチーフ」と接触しており、この相互作用は転写開始の際にすでに確立されているようである。上流DNAは、下流DNAに対して約105°の角度で活性中心の裂け目から出ている。上流DNAがこうした配置になっていることで、一般的な転写伸長因子DSIF(SPT4–SPT5;Pol IIクランプドメイン上の保存された位置を占める活性中心の裂け目上にあることが今回突き止められた)の結合が可能になっている。我々の結果は、機能状態にある哺乳類Pol IIの構造を決定したもので、酵母Pol IIの以前の結晶解析結果が全ての真核生物の遺伝子転写を理解する上で有用であることを示しており、またヒトでの転写機構解析のための出発点となる。

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