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システム生物学:パルスの相対的なタイミングの調節による組み合わせ型遺伝子調節
Nature 527, 7576 doi: 10.1038/nature15710
個々の生細胞の研究で、同一細胞内では多くの転写因子が動的でしばしば確率論的なパルスとして活性化することが分かっている。しかし、細胞がこうしたパルスの動的な相互作用を利用して遺伝子発現を制御しているかどうかは不明である。本研究では、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の単一細胞での定量的微速度画像解析を用いて、パルス状の発現をする転写因子Msn2とMig1が組み合わさって、それらのパルスの相対的なタイミングの調節を介して、標的遺伝子を調節することを示す。活性化因子のMsn2と抑制因子のMig1は、さまざまな入力への一過性の応答の際にパルス状に活性化するが、それらのパルスは時間的に重なる場合と重ならない場合があり、効果的に標的遺伝子の発現が活性化されるのはパルスが重ならない動態のときのみであった。同様に、定常的な環境条件下では、Msn2とMig1は散発的にパルスが発生し、グルコース濃度によって2つの因子のパルスの時間的重なりが変化した。以上より、時間に基づく組み合わせ型の遺伝子調節の様式が明らかになった。シグナルの相対的タイミングを介した調節は、工学や神経生物学ではよく見られ、これらの結果は、このような調節が細胞のシグナル伝達や調節系でも、広く働いている可能性を示唆している。

