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気候科学:温暖化にもかかわらず10年間減速しているグリーンランド氷床の陸上終端部

Nature 526, 7575 doi: 10.1038/nature15722

グリーンランド氷床(GIS)の陸上終端部に沿った氷の流れは、氷床底部への表面融解水の流入量の変動に応答して大きく変化している。融解水の流入は、氷床底部の界面をすべりやすくして、一時的に氷の流れを加速する。融解量が多くなると夏季の氷の動きが速くなるが、次の冬季には動きが遅くなる。これは、効率的な排水系が発達して、氷床底部の底面水圧が高い領域から排水できるようになるためである。しかし、10年の時間スケールでの氷の動きと流体力学的結合の影響は、まだあまり絞り込まれていない。本論文では、海抜1100 mまで広がるGIS西部縁辺の8000 km2にわたる陸上終端地域における2007~2014年の年ごとの氷の動きは、1985~1994年と比べて、表面融解水の生成が50%増加していたにもかかわらず、12%遅かったことを示す。今回の知見は、消耗域のこの地域ではこの30年間にわたって、流体力学的結合によって氷の動きが、これまで仮定されていたような加速ではなく正味で減速したことを示唆している。従って、予想される気候温暖化によって融解水生成が増加すれば、GISの陸上終端部の動きがさらに遅くなる可能性がある。今回の知見は、氷床のこうした地域は、融解水生成量の増大の力学的影響に対する回復力がこれまで考えられていたよりも大きいことを示唆している。

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