Letter

発生生物学:ユビキチンに依存した翻訳調節による細胞運命の決定

Nature 525, 7570 doi: 10.1038/nature14978

後生動物の発生は、分化プログラムを正確に遂行して、多能性幹細胞に特定の運命をとらせることにかかっている。分化にはクロマチン構造や転写ネットワークの変化が必要だが、細胞運命の決定を助ける調節事象がこれらの他にもあるのかどうかはよく分かっていない。今回我々は、脊椎動物特異的な基質のアダプターKBTBD8と複合体を形成したユビキチンリガーゼCUL3(CUL3KBTBD8)が、ヒトとネッタイツメガエル(Xenopus tropicalis)の神経堤細胞の運命指定に不可欠な調節因子であることを突き止めた。CUL3KBTBD8は、NOLC1とそのパラログであるTCOF1(これに生じた変異は神経堤障害であるトリーチャー・コリンズ症候群の原因となる)をモノユビキチン化する。ユビキチン化によって、RNAポリメラーゼIとリボソーム修飾酵素を結び付けるプラットフォームとなるTCOF1–NOLC1の形成が促され、分化中の細胞の翻訳プログラムが神経堤細胞の指定に向かうように変化する。我々は、ユビキチンに依存した翻訳調節は細胞運命の決定に重要な特性であると結論する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度