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植物科学:シロイヌナズナの新規なシアン生成性代謝産物は誘導性の病原体防御に必要とされる

Nature 525, 7569 doi: 10.1038/nature14907

シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)にあって生合成に関連すると考えられている数千個の遺伝子については機能が明らかになっていない。このことから、植物の適応度に関わる分子で未発見のものはまだ多数存在していると考えられる。こうした特性が分かっていない遺伝子のうちで最も重要なものは、病原体に応答して発現が上昇するシトクロムP450群である。今回我々は、病原体に誘導されるP450の1つであるCYP82C2からスタートし、非標的メタボロミクスと共発現解析を組み合わせて用いて、シロイヌナズナの代謝産物としてこれまで知られていなかった4-ヒドロキシインドール-3-カルボニルニトリル(4-OH-ICN)へ至る完全な生合成経路を明らかにした。4-OH-ICNという代謝産物はシアン化物を生成する官能基を有しており、これは植物では前例がなく、自然界では非常に珍しい。さらに、4-OH-ICN経路の中間代謝産物であるアリルシアノヒドリンによって、シロイヌナズナが青酸グルコシドを生合成する潜在能力を持つことが明らかとなった。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)およびタバコ科のNicotiana benthamianaで4-OH-ICN生合成酵素群を発現させることで、in vitroおよびin vivoで完全な経路が再構築され、その酵素機能が実証された。4-OH-ICN経路に変異が生じたシロイヌナズナは病原菌のPseudomonas syringaeに対する感受性が上昇し、これは4-OH-ICNが誘導性の病原体防御に役割を担うことと一致する。シロイヌナズナは植物の自然免疫における小型分子の役割を研究するための優れたモデル系であって、我々の結果は、古典的なカマレキシン経路とは異なる、インドール代謝の新たな分岐経路を明らかにしており、シロイヌナズナの防御応答におけるこの経路の役割を裏付けている。こうした結果は、モデル植物であるシロイヌナズナが病原体防御に小型分子をどのようにして用いているかを解明するためのより完全な枠組みを確立するものである。

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