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がん:機能獲得p53変異体はクロマチン経路を借用してがんの増殖を駆動する

Nature 525, 7568 doi: 10.1038/nature15251

p53タンパク質をコードするTP53は、全てのヒトのがんで変異が最も高頻度に見られる遺伝子である。一般的なp53ミスセンス変異は腫瘍抑制機能を無効にし、がんを促進する「機能獲得(GOF)」をもたらす。今回我々は、p53 GOF変異体がメチルトランスフェラーゼMLL1(別名KMT2A)、MLL2(別名KMT2D)、およびアセチルトランスフェラーゼMOZ(別名KAT6AあるいはMYST3)などのクロマチン調節遺伝子に結合してこれらの発現を上昇させ、その結果全ゲノムでヒストンメチル化とアセチル化が上昇することを示す。がんゲノムアトラスの解析により、p53 GOF患者由来の腫瘍でMLL1、MLL2、MOZの特異的な発現上昇が見られるが、野生型p53あるいはp53ヌル腫瘍では発現上昇は見られないことが分かった。がん細胞の増殖は、MLL1の遺伝的ノックダウンあるいはMLL1メチルトランスフェラーゼ複合体の薬理学的抑制により著しく低下する。我々の研究から、GOF p53を有する腫瘍のプログレッションの基盤となる新たなクロマチン機序が明らかとなり、高頻度に見られるGOF p53変異により駆動される個々のがんを治療するためのクロマチン基盤の組み合わせ療法の開発の新たな可能性が示唆される。

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