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がん:腫瘍内部の不均一性が分散と細胞の新旧交代によって制限されることを予測する空間モデル
Nature 525, 7568 doi: 10.1038/nature14971
ヒトのがんの大半は大きく、直径が数センチメートルあり、膨大な数の細胞からなっている。同程度の数の正常細胞からなる集合体では、細胞分裂ごとに生じる変異の結果として高度に不均一になると考えられる。がんで特に注目される点は、大きな腫瘍内のほぼ全ての悪性細胞が往々にして同一の主要な遺伝的変化のセットを含んでおり、不均一性が腫瘍増殖の後期に出現する変異に限定されていることである。このような変化が、腫瘍の空間的に制限された三次元構造の中で拡大し、大きな既存の病巣を優占するようになる仕組みは不明である。本研究では、腫瘍内の急速な細胞混合を短距離の分散と細胞の新旧交代によって説明できる腫瘍進化モデルについて述べる。我々は、大きな腫瘍内に細胞がたった1個と選択有利性が小さい場合でも、その細胞の子孫は臨床的に意義のある期間内にそれまでの細胞塊に取って代わることが可能なことを示す。また、これと同じ機構が、化学療法耐性の迅速な出現に関与している可能性があることも示す。我々のモデルは、腫瘍増殖の空間的および時間的な特性を知るための手掛かりを提供するだけでなく、短距離の細胞移動活動を標的とすることで、腫瘍増殖速度に顕著な影響を与え得ることを示唆している。

