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構造生物学:ヒトγ-セクレターゼの原子構造
Nature 525, 7568 doi: 10.1038/nature14892
膜内プロテアーゼであるγ-セクレターゼの機能不全はアルツハイマー病を引き起こすと考えられており、アルツハイマー病に見られる変異の大部分はこの酵素の触媒サブユニットであるプレセニリン1(PS1)に位置している。今回我々は、低温電子顕微鏡法を用いる単粒子解析によって決定された、3.4 Å分解能でのヒトγ-セクレターゼの原子構造を報告する。アルツハイマー病で見られる変異は、PS1中の2つのホットスポットの残基に影響を及ぼしており、これらのホットスポットはそれぞれ、4本の別の膜貫通セグメント(TM)からなるバンドルの中央に位置している。TM2とTM6にはかなりの柔軟性が見られ(TM6の柔軟性の方がTM2より低い)、そのために活性部位はかなりの柔軟性があり、周囲を取り巻く因子に適応できる。PS1の活性部位は、馬蹄形のTM構造の凸側から接近可能であり、基質が補充された後のニカストリン細胞外ドメイン中にはかなり大きなコンホメーション変化が起こると考えられる。構成タンパク質の1つであるAPH-1は足場となっていて、ニカストリン中の唯一の膜貫通ヘリックスを繋留し、またPS1の柔軟なコンホメーションを支えている。秩序立った構造を取っているリン脂質群が膜内の複合体を安定化している。我々の構造は、γ-セクレターゼ機能の反応の仕組みを解明するための分子基盤となるだろう。

