免疫学:AIDによって開始されるDNA切断の方向性特異的な連結は抗体のクラススイッチを促進する
Nature 525, 7567 doi: 10.1038/nature14970
B細胞発生の間に、RAGエンドヌクレアーゼは免疫グロブリン重鎖(IgH)V、DおよびJ遺伝子セグメントを切断し、隣接するCμ定常領域エキソンと同じ転写方向性になるようにV(D)Jエキソンを組み立てる欠失過程として、これらの融合を調整する。マウスでは、さらに6組の定常領域エキソン(CHs)が、V(D)JおよびCμエキソンと同じ転写方向性で、100~200キロ塩基下流に存在する。反復配列を含む長いスイッチ(S)領域は、Cμおよび下流のCHsに先行して存在する。成熟B細胞では、クラススイッチ(CSR)によって、Cμを下流のCHと取り換えることで抗体の多様なクラスが生じる。活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)は、Sμと下流のアクセプターS領域内で脱アミノ化損傷を促すことによってCSRを開始し、このような損傷は一般的なDNA修復因子によってDNA二本鎖切断(DSB)へと変換される。抗体生産性の高いCSRは、SμDSBの上流末端とアクセプターS領域DSBの下流末端との連結によって欠失の生じる方向性で起こらなければならない。しかし、欠失が生じるCSR連結の、逆位の生じるCSR連結に対する相対頻度は測定されていない。つまり、方向性特異的な連結がV(D)J組換えの際に見られるように、CSRのプログラムされた機構的特徴であるのかどうか、もしそうだとしたらそれはどのような仕組みによって行われるのかは知られていない。この疑問に取り組むために、ハイスループットのゲノム規模転座塩基配列解読を、高感度DSB末端連結アッセイ用に改良し、それをマウスB細胞で内在性AIDによって開始されるS領域DSBに適用した。CSRは、抗体生産性が高い、欠失を起こす方向性で生じるようにプログラムされており、これがシスに並ぶIghの構造的特徴とAIDによって開始される高頻度のS領域DSBとを組み合わせた、前例の無い機構を介して起こることが分かった。我々はさらに、ATM依存性のDSB応答因子がこの機構の実行に関わっていることを示し、CSRが53BP1 DSB応答因子に非常に強く依存していることの理由を説明している。

