構造生物学:リン酸化ユビキチンが引き起こすパーキン活性化の仕組み
Nature 524, 7565 doi: 10.1038/nature14879
E3ユビキチンリガーゼのパーキン(PARK2にコードされる)とプロテインキナーゼPINK1(PARK6にコードされる)は、常染色体劣性若年性パーキンソン病(AR-JP)では変異している。この2つのタンパク質は、損傷を受けたミトコンドリアをマイトファジーによって処分する際に協働している。PINK1は脱分極したミトコンドリアの外側に固定されていて、ポリユビキチンに加えて、パーキンのユビキチン様(Ubl)ドメインもリン酸化する。このようなリン酸化によってパーキンがミトコンドリアへと移行し、アロステリックな機構(まだ解明されていない)によって活性化される。今回我々は、ヒトジラミ(Pediculus humanus)のパーキンについて、Ser65がリン酸化されたユビキチン(リン酸化Ub)と複合体を形成した状態の結晶構造を示し、パーキンの移行と活性化の分子基盤を明らかにする。パーキン上のリン酸化Ub結合部位は保存されたリン酸基ポケットを含んでいて、AR-JP患者で変異しているアミノ酸残基はここに含まれる。リン酸化Ubが結合するとRING1ドメイン中の1本のヘリックスが真っすぐになり、その結果コンホメーション変化が起こって、Ublドメインがパーキンの中心部分から離れ、これによってパーキンが活性化される。さらに、リン酸化Ubを介してUblドメインが解放されると、PINK1によるUblのリン酸化が促進され、Ublドメイン内部でのコンホメーション変化につながり、パーキンの開いた活性なコンホメーションが安定化される。Ublドメインは、パーキンを阻害するだけでなく、活性化因子の役割も担っていて、不活性状態のパーキンではパーキン内部に拘束されており、リン酸化Ubによって解放されることが、今回明らかになった。これらの知見は、パーキン活性化小型分子を見つける新しい道を開くだろう。

