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微生物学:抗生物質の産生と分解という相反する作用が微生物群集を安定化する

Nature 521, 7553 doi: 10.1038/nature14485

理論生態学の主要な課題の1つは、自然の微生物群集が種の多様性を支える仕組み、特に、抗生物質を産生する種、抗生物質に感受性を示す種および抗生物質に耐性を示す種が共存する仕組みを解明することである。「じゃんけん」のような三すくみの相互作用によって空間環境の群集を安定化することは可能だが、構造化されていない環境での共存については依然として説明がつかない。本論文では、シミュレーションおよび解析モデルを用いて、抗生物質の産生と分解という相反する作用が、十分に種が混在する環境であっても種の共存を可能にすることを示す。共存は、抗生物質を分解する種が他の2つの種間で抑制的に働く相互作用を減弱させるという3者間の相互作用に依存する。こうした相互作用によって、種の本来的な増殖速度に見られる大きな差異に対して、また、抗生物質の産生あるいは分解を止めてしまう「搾取型」の種の侵入に対してロバストな共存状態が可能となる。安定性のためには少なくとも2種類の抗生物質が必要であり、抗生物質の種類が多くなるほど、群集の複雑化や、安定な固定点からリミットサイクルやカオスに至る幅広く多様な動的挙動が可能になる。総合するとこれらの結果は、抗生物質を介した多数の種の相互作用が、空間的に構造化された微生物群集と種が混在する微生物群集の両方で生態学的な安定性を生じさせ得る仕組みを示している。さらに、これらの結果から合成生態系を設計するための戦略が考えられ、また、微生物多様性には毒素の産生や分解が重要であることがはっきりと示された。

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