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幹細胞:大規模損傷後に細胞系譜マーカー陰性の前駆細胞が動員されて肺上皮を再生する

Nature 517, 7536 doi: 10.1038/nature14112

組織再生には大きく分けて、一般的な分化細胞の増殖、または特殊な幹細胞や前駆細胞の動員という2つの方法があり、そのどちらか、または両方が用いられる。これらの経路のうちのどちらが用いられるかは、器官特異的および損傷特異的に決まる。現在の肺のモデルでは、上皮修復は成熟した細胞系譜マーカーを発現する細胞によって行われると考えられている。それに対して、本研究では、これまでに特徴が明らかになっていなかった、細胞系譜マーカー陰性の上皮幹細胞・前駆細胞(epithelial stem/progenitor;LNEP)が正常な末梢肺内にごく少数存在しており、これらが再生に働くことを明らかにする。マウスではインフルエンザウイルスあるいはブレオマイシンによる損傷後、静止期のLNEPが、ΔNp63(p63のスプライシング多様体の1つ)やサイトケラチン5再編成プログラムを活性化する。活性化された細胞は増殖し、広範囲にわたって移動して、成熟した細胞系譜が枯渇した重度の損傷部位に集まり、その場所で成熟した上皮に分化する。細胞系譜追跡により、このような修復では、既存の上皮細胞はほとんど働かないことが明らかになったが、一方、単一細胞塩基配列解読で同定された決定的な細胞表面プロファイルを用いて単離したLNEPの同所性移植により、この集団の増殖能と多分化能が直接的に示された。LNEPがΔNp63とサイトケラチン5のプログラムを活性化するにはNotchシグナル伝達が必要であり、その後のNotchの遮断が肺胞の細胞運命を促す。損傷後にNotchシグナル伝達が持続すると、実質性の「微小蜂巣状化」(肺嚢胞)が起こり、再生失敗の証拠となる。繊維症患者からの肺でも同様の蜂巣状嚢胞が見られ、Notchシグナル伝達が過剰活性化した証拠となる。我々の結果は、異なる幹細胞・前駆細胞のプールが、損傷の程度に応じて損傷組織を再生し、結果として再生するか繊維化するかは、LNEPのNotchシグナル伝達の動態にも依存している可能性があることを示している。

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