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ゲノミクス:単一分子塩基配列解読法を用いてヒトゲノムの複雑性を解明する
Nature 517, 7536 doi: 10.1038/nature13907
ヒトゲノムが哺乳類のゲノムの中で最も完成された参照ゲノムであることはほぼ間違いないが、ユークロマチンにはギャップ(未解読領域)がまだ160か所以上残っており、また、その構造多様性の側面については、ゲノム解読完了から10年経つがほとんど解明されていない。本研究では、欠落している塩基配列や遺伝学的多様性を見つけだすために、単一分子のリアルタイムDNA塩基配列解読法を用いて、半数体ヒトゲノム(CHM1)の塩基配列解読と解析を行った。我々は、ヒトGRCh37参照ゲノムで解読されずに残っている間隙ギャップの55%について、塩基配列を埋めるか、もしくは欠落範囲を狭めた。今回埋められたギャップの78%には、長さ数キロ塩基に及ぶ縮重した長いSTR(短い縦列反復配列)が含まれており、それが(G+C)の豊富なゲノム領域内に埋め込まれた形になっている。また、2万6079個のユークロマチン構造多様体についても塩基対レベルでの完全な塩基配列が明らかになり、その中には逆位や複雑な挿入、長い縦列反復配列が含まれていた。これらの大半は未報告のものであり、サイズが5キロ塩基未満の事象について感度が最も上昇していた。ヒトの参照ゲノムと比較すると、複雑な挿入や長いSTRに対応する領域に挿入の有意な偏り(3:1)があることが分かった。以上の結果は、ヒトゲノムには、より長く複雑な反復配列DNAの多様性という形のより高い複雑性が存在することを示しているが、長い距離を読み取る今回の塩基配列解読技術を利用すれば、大いに解明が進むだろう。

