Letter
古生物学:中国の下部三畳系で見つかった、短い吻部を持つ基部系統ichthyosauriform
Nature 517, 7535 doi: 10.1038/nature13866
脊椎動物の派生度の高い分岐群の多くは、化石記録が不十分であるために起源が明確にされていない。そうした分類群の1つである魚鰭類(Ichthyopterygia)は、前期三畳紀に出現した絶対海生爬虫類の分岐群であり、中間的生物が全く知られていない。本論文では、中国の下部三畳系上部(約2億4800万年前)で見つかった基部系統のichthyosauriformを記載する。その原始的な骨格は、水陸両生の習性の可能性を示している。このichthyosauriformは魚鰭類と比べて小型であり、非常に大きな鰭状足を有していたことから、ある程度の陸上移動が可能であったと考えられる。また、短い吻部や胴など、陸生の双弓類爬虫類の特徴も維持されていた。より派生的なichthyosauriformとは異なり、吸引摂食動物であったと考えられる。この新種から、IchthyosauriformesとHupehsuchiaが姉妹群の関係にあり、この2群がIchthyosauromorphaを構成することが裏付けられた。基部系統ichthyosauromorphは、中国南部以外では見つかっていないため、前期三畳紀に高温多湿な熱帯性の多島海が形成されていたこの地域で生じたことが示唆される。鰭竜類(Sauropterygia)の最古の明白な記録も、この地域の同じ層序単元から見つかっている。

