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量子物理学:6時間のコヒーレンス時間を有する固体における光学的にアドレス可能な核スピン

Nature 517, 7533 doi: 10.1038/nature14025

もつれた量子状態が空間的に離れていることは、量子力学の基礎的研究や量子通信への応用において中心的な概念である。もつれた光子は、発生させて伝送するのが容易であるため、量子もつれの配送では光学的な方法がよく用いられる。しかし、こうした直接配送を数百キロメートルの範囲を超えて世界的な規模のネットワークへ拡張することは、伝送中の散乱、回折、吸収に伴う損失によって妨げられる。この範囲の限界を超えるための提案が量子リピータープロトコルであり、これには伝送チャネルに沿って配置された多数の量子メモリー間での光学モードの量子もつれ対の配送が含まれる。これを有効なものとするには、チャネルが光を直接伝送する時間に比べて長い時間、光学モード上に符号化した量子情報を量子メモリーが記憶する必要がある。今回我々は、地球規模で光を伝送するのに必要な時間である100ミリ秒にわたって、毎秒8 × 10−5のデコヒーレンス速度を測定した。この測定は、光学的に検出する核磁気共鳴法を使って、オルトケイ酸イットリウムにおけるユウロピウムイオンのドーパント(151Eu3+:Y2SiO5)の基底状態超微細遷移に対して行われた。観測したデコヒーレンス速度は、光量子メモリーに適した他のどのような系の場合より少なくとも1桁低い。さらに、動的デカップリングを用いて、370 ± 60分のコヒーレンス時間を2 Kで達成した。光は量子情報にとって最良の長距離キャリアであるとほとんど例外なく考えられている。しかし、今回観測したコヒーレンス時間は十分長いため、結晶中を毎時9 kmで進行する核スピンは、光ファイバー中の光よりも距離に伴うデコヒーレンスが低くなる可能性がある。これによって、いくつかの量子もつれを配送する非常に初期の方法、特に、光ではなくスピンが輸送される方法の再検討が可能となる。

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