細胞生物学:PP1–PP2Aホスファターゼの連携が有糸分裂の進行を制御する
Nature 517, 7532 doi: 10.1038/nature14019
有糸分裂における広範囲にわたる細胞構造の再構成は、大規模なタンパク質リン酸化によりもたらされ、このリン酸化は協調的に起こる有糸分裂キナーゼネットワークの活性化と、拮抗するホスファターゼ群の抑制によって行われる。その後、ホスファターゼ活性は、有糸分裂の完了を促すために、元に戻されなければならない。出芽酵母ではCdc14ホスファターゼがこの逆転を促すが、他の真核生物では、PP1(protein phosphatase 1)とPP2A(protein phosphatase 2A)の活性が、それぞれ独立に有糸分裂終了の制御と関連付けられている。本研究では、分裂酵母において、PP1の再活性化が、有糸分裂の進行と終了を調整するPP2A-B55とPP2A-B56両方の再活性化に必要であるという、有糸分裂ホスファターゼの連携について報告する。PP1(Dis2アイソフォーム)が、ホロ酵素PP2A-B55(別名Pab1)とPP2A-B56(別名Par1)の調節サブユニットへ段階的に誘導されると、次におのおののホスファターゼが活性化される。有糸分裂初期にはCdk1(別名Cdc2)–サイクリンBキナーゼがPP1活性を抑制しているため、この経路は阻害されているが、有糸分裂の後半にはサイクリンBレベルが低下するため、PP1が自己再活性化できるようになる。PP1はまずPP2A-B55を再活性化し、これによって今度はPP2A-B55がPP2A-B56内のPP1結合部位を脱リン酸化することによりPP2A-B56の再活性化を促進できるようになり、その結果、PP1の誘導が促進される。PP1のヒト有糸分裂PP2A-B56ホロ酵素への誘導、そしてこれらの保存されたPP1結合モチーフの配列から、真核生物全体のさまざまなシグナル伝達において、PP1がPP2A-B55とPP2A-B56の活性を調節していることが示唆される。

