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感染症:サヘル地域のマラリア媒介蚊個体群に見られる夏眠と移動のシグネチャー

Nature 516, 7531 doi: 10.1038/nature13987

アフリカのサヘル地域には長い乾季があり、マラリア媒介蚊はこの間に幼虫の生息場所がなくなることで姿を消すと期待されるが、実際には乾季が終わると最初の雨から数日で大量の蚊が再び出現する。これらの媒介蚊が3~6か月に及ぶ長い乾季をどのように生き延びるのかは、100年以上にわたり広く研究されてきたにもかかわらず、いまだに解明されていない。媒介蚊の存続に関する仮説の中には、乾季休眠(夏眠)説と長距離移動(LDM)説があるが、どちらも具体的な証拠がなく、媒介蚊の生物学的特性の中でも大いに議論の的となっている問題である。今回我々は、媒介蚊の一部の種はある種の夏眠によって存続し、他の種はLDMを行うことを明らかにした。時系列的な分析法を使い、Anopheles coluzziiAnopheles gambiae sensu strictos.s.)およびAnopheles arabiensisの季節的周期を推定したところ、夏眠およびLDMの影響が有意かつ安定的で、高度に種特異的であることが分かった。おおかたの予想に反して、動態が最も複雑であったのは乾季で、このときA. coluzziiの密度は大きく変動して、移動がほとんど考えられないような時期にピークを迎えたが、A. gambiae s.s.は発見されなかった。A. coluzziiの個体群成長は、夏眠説と符合するように最初の雨のすぐ後に起こったが、A. gambiae s.s.A. arabiensisの個体群成長期はどちらも最初の雨から2か月後だった。こうした遅延は、局所的な存続には矛盾するが、LDM説には当てはまる。A. coluzziiは、その場にとどまって長い乾季を生き延びることで、優占してマラリア伝播の主要な推進力となることができる。今回の結果は、別種としての位置付けがこれまで疑われてきたA. coluzziiA. gambiae s.s.の間にある大きな生態学的分岐を明らかにし、気候がこれらの蚊の種分化を生じた選択圧の1つであることを示唆している。全球の気候変動によるマラリア分布域の変化の予測、およびアフリカでのマラリア撲滅には、媒介蚊の休眠とLDMを考慮することが重要である。

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