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がん:in vivoでのCRISPR/Cas9系を使った遺伝子操作による発がん性染色体再編成
Nature 516, 7531 doi: 10.1038/nature13902
染色体再編成はヒトがんの発生で中心的役割を担っており、治療に利用できる融合遺伝子の発現を引き起こすことが多い。最近発見された例は、EML4(echinoderm microtubule-associated protein like 4)とALK(anaplastic lymphoma kinase)の遺伝子間融合で、2番染色体短腕の逆位によって生じる(inv(2)(p21p23))。EML4–ALKがん遺伝子は、ヒトの非小細胞肺がん(NSCLC)の一部に検出され、これがALK阻害剤感受性を付与することから臨床的意義がある。融合遺伝子が重要であるにもかかわらず、このような遺伝的事象のマウスでのモデル化は、困難であることが示されており、生殖細胞系列の複雑な操作が必要とされる。本論文では、成体マウスの体細胞にウイルスを介してCRISPR/Cas9系を送達することにより、in vivoで特異的な染色体再編成を誘導する効率的な方法を説明する。我々は、この方法を用いて、Eml4–Alkが駆動する肺がんマウスモデルを作製した。その結果生じた腫瘍では、必ずEml4–Alk逆位が存在し、Eml4–Alk融合遺伝子が発現しており、ALK+ヒトNSCLCに典型的な組織病理学的特徴や分子的な特徴が見られ、ALK阻害剤投与に応答した。本論文で示した一般的な戦略により、マウス、そしておそらくは他の生物においても、ヒトがんのモデル化の可能性が大きく拡大することだろう。

