Letter

細胞:コヒーシンに依存した小球構造とヘテロクロマチンが、分裂酵母のゲノムの三次元構造を形作る

Nature 516, 7531 doi: 10.1038/nature13833

真核生物のゲノムは折りたたまれて、自己集合するトポロジカルドメインのような三次元構造を形成し、その境界領域には、コヒーシンと長い距離での相互作用に必要なCCCTC結合因子(CTCF)が豊富に存在する。局所的なクロマチン相互作用がクロマチン繊維の高次の折りたたみを制御する仕組みや、その過程でのコヒーシンの機能については、ほとんど分かっていない。今回我々は、全ゲノム染色体コンホメーション捕捉(Hi-C)解析を行い、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)ゲノムの構造を高分解能で調べた。分裂酵母ゲノムは、サイズは小さいものの、他の真核生物に見られる基本的な特徴を備えている。野生型酵母と変異株の解析により、染色体構造とゲノム構成の重要なエレメントが判明した。染色体の腕では、クロマチンの小領域が局所的に相互作用して「小球(globule)」を形成する。この小球形成には、コヒーシンの姉妹染色分体接着における働きとは別の機能が必要である。小球の境界部にはコヒーシンが豊富に存在しており、これが失われると、局所的な小球構造が破壊され、全体的な染色体テリトリーが崩れる。一方、コヒーシンをセントロメア周辺ドメインやテロメア隣接ドメインなどの特定の部位に集める働きをするヘテロクロマチンは、小球形成には必要ないが、ゲノムの構造には影響を及ぼす。我々は、ヘテロクロマチンはセントロメアにおけるクロマチン繊維の凝縮を仲介し、セントロメア周辺領域内での染色体腕間の相互作用を著しく促進して、適正なゲノム構造の形成に不可欠な構造的制約を与えることを示す。ヘテロクロマチンがなくなると染色体に加わる制約が緩み、染色体内部や染色体間の相互作用が増加する。これらの解析結果から、核の機能の協調に不可欠な染色体の高次構造形成を駆動する、ゲノム折りたたみの原理が明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度