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免疫学:ミトコンドリアのUPRにより調節される自然免疫は病原体感染に対する抵抗性をもたらす

Nature 516, 7531 doi: 10.1038/nature13818

後生動物は、腸管内腔などの微生物が数多く存在する環境で病原細菌を見分けて排除するが、その機序は明らかでない。宿主細胞はおそらく、細胞内監視プログラムあるいはストレス応答プログラムを使って病原体の検知を行っており、監視下にある細胞活性を標的とする病原体を検出すると自然免疫応答が開始されるのかもしれない。ミトコンドリアの機能は、転写因子ATFS-1のミトコンドリアへのタンパク質搬入効率を監視することで評価されている。ATFS-1はミトコンドリアでのUPR(unfolded protein response;異常タンパク質応答)であるUPRmtに関わっていて、ミトコンドリアストレスの際には、ミトコンドリアへのタンパク質搬入が障害されて、ATFS-1は核へ運ばれるようになり、そこでミトコンドリア恒常性回復のための転写応答が引き起こされる。我々は、病原体に曝露されている線虫の1種Caenorhabditis elegansでのATFS-1の役割を調べた。それは、ATFS-1はミトコンドリアストレスの際に、ミトコンドリアの保護に関わる遺伝子だけでなく、リゾチームや抗微生物ペプチドなどの自然免疫関連の遺伝子の転写も誘導するからである。病原体である緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)への曝露は、ミトコンドリアの機能障害とUPRmtの活性化を引き起こした。atfs-1が減少しているC. elegansは緑膿菌に感染しやすくなるが、ATFS-1とUPRmtの過剰活性化が見られるC. elegansは腸からの緑膿菌のクリアランスが改善され、生存期間が、既知の自然免疫経路とはおおむね関係なく延長された。我々は、ATFS-1の搬入効率とUPRmtが、ミトコンドリアを標的とする病原体を検知し、防御的な自然免疫応答を開始させる手段の1つであると考える。

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