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細胞生物学:アデノシンはA2A受容体を介して褐色脂肪組織を活性化し、ベージュ脂肪細胞を誘導する

Nature 516, 7531 doi: 10.1038/nature13816

褐色脂肪組織(BAT)はエネルギー消費に特化しているため、抗肥満治療の標的候補となっている。寒冷曝露後の交感神経系は、カテコールアミン類の放出とβアドレナリン受容体の活性化を引き起こすと同時に、BATを活性化する。寒冷曝露あるいはβアドレナリン作動性アゴニストを使ったBAT療法は臨床的に実現不可能なので、別の戦略を探す必要がある。交感神経によるBATの制御にプリン作動性の共伝達が関与している可能性があり、これまでの研究から、ハムスターやラットのBATにおいてプリン作動性伝達物質アデノシンの脂肪分解抑制効果が報告されている。しかし、ヒトBATでアデノシンが果たす役割はよく分かっていない。本論文では、アデノシンが低ナノモル濃度でヒトおよびマウスの褐色脂肪細胞を活性化することを示す。アデノシンは、交感神経刺激の際に、BATや褐色脂肪細胞から放出される。アデノシンA2A受容体はヒトおよびマウスのBATに最も豊富に存在するアデノシン受容体である。マウスでA2A受容体を薬理学的に阻害するか遺伝学的に欠損させると、BATに依存した熱産生が減少するが、A2Aアゴニストを投与するとエネルギー消費が有意に増加する。また、A2A受容体を薬理学的に刺激するか、あるいは白色脂肪にA2A受容体発現レンチウイルスベクターを注入すると、褐色様細胞(いわゆるベージュ脂肪細胞)が誘導される。高脂肪食を摂取させてA2Aアゴニストを投与したマウスは、痩せて耐糖能が改善していたことは重要である。総合するとこれらの結果は、アデノシン–A2Aシグナル伝達が意外にも、交感神経系によるBAT活性化に生理的役割を果たし、マウスを食餌誘導性肥満から防いでいることを実証している。これらの知見は新規の肥満治療開発の新たな可能性を明らかにしている。

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