免疫学:胚中心B細胞由来リンパ腫におけるGα13を介したシグナル伝達の欠失
Nature 516, 7530 doi: 10.1038/nature13765
胚中心型びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)は一般的な悪性腫瘍であるが、調節を失ったシグナル伝達経路や全身性播種をもたらす因子についてはあまりよく分かっていない。マウスの研究で、Gα12およびGα13の共役受容体であるS1PR2(sphingosine-1-phosphate receptor-2)が、胚中心B細胞の増殖調節と局所的な封じ込めを促すことが明らかになっている。近年のGCB-DLBCLの大規模塩基配列解読研究で、GNA13(Gα13をコードする)およびS1PR2など、このがんの多くの遺伝子の変異が報告されている。今回我々は、in vitroおよびin vivoでの解析を用いて、S1PR2に生じたGCB-DLBCL関連変異が、高い頻度でこの受容体のAktおよび遊走阻害機能に障害を与えることを示す。Gα13欠損マウスの胚中心B細胞およびヒトのGCB-DLBCL細胞は、S1Pに応じたpAktおよび遊走を抑制できず、またGα13欠損マウスは胚中心B細胞由来のリンパ腫を発症した。胚中心B細胞はほとんどのリンパ球とは異なり、リンパ器官に緊密に封じ込められ、再循環しない。意外にも、S1PR2ではなく、Gα13の欠損がリンパ液および血液への胚中心B細胞の播種をもたらした。GCB-DLBCL細胞株は、高い頻度でGα13エフェクターであるARHGEF1に変異を持ち、またArhgef1の欠損も胚中心B細胞播種をもたらした。Gα13欠損およびS1PR2欠損の不完全な表現型模写から、GCB-DLBCLおよび別の胚中心B細胞由来悪性腫瘍であるバーキットリンパ腫で変異しているオーファン受容体P2RY8も同様に胚中心B細胞の増殖を抑制し、Gα13を介して封じ込めを促進するという知見が得られた。これらの結果は、胚中心B細胞由来リンパ腫で高い頻度で障害されている胚中心B細胞増殖抑制および播種の阻害という二重の作用を発揮するGα13依存的経路を明らかにしている。

