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分子生物学:CK2によるヒストンH2Aのチロシンリン酸化が転写の伸長を調節する
Nature 516, 7530 doi: 10.1038/nature13736
翻訳後のヒストン修飾は、転写や細胞周期、DNA複製、DNA損傷修復の調節に重要な役割を果たしている。転写の開始、伸長、終結の調節に不可欠な新しいヒストン修飾の同定にはとりわけ関心が集まっている。本論文では、酵母から哺乳類まで保存されている、転写伸長の新しいタイプの調節を報告する。この調節は、ヒストンH2Aの非常によく保存されたチロシン残基Tyr57のリン酸化に基づいており、カゼインキナーゼ2(CK2)の予想外のチロシンキナーゼ活性を介している。酵母でのH2AのTyr57の変異、あるいはCK2活性の阻害によって、酵母でも哺乳類細胞でも転写の伸長が起こらなくなる。全ゲノムでの結合の解析により、CK2の触媒サブユニットであるCK2αが、RNAポリメラーゼIIの転写するコード遺伝子や活性なエンハンサーに全体にわたって結合することが明らかになった。Tyr57の変異によって、活性な転写に関係するヒストン標識であるH3K4me3、H3K79me3が失われるだけでなく、H2Bのモノユビキチン化も起こらなくなる。機構としては、CK2の阻害とH2A(Y57F)変異がどちらもSpt-Ada-Gcn5アセチルトランスフェラーゼ(SAGA)複合体のH2B脱ユビキチン化活性を促進することから、Tyr57のリン酸化が、転写の際にSAGA複合体の活性の協調に非常に重要な役割を担っていることが示唆される。これらの結果を総合して、H2A球状ドメインのCK2に依存したチロシンリン酸化を基盤とした、転写伸長の調節の新しい要素が明らかになった。

