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材料科学:大きなフォノンエントロピーに駆動される二酸化バナジウムの金属化
Nature 515, 7528 doi: 10.1038/nature13865
相競合は、遷移金属酸化物における多くの注目すべき現象や技術的に重要な現象の基礎となる。二酸化バナジウム(VO2)は室温付近で一次の金属絶縁体転移(MIT)を示し、その際、冷却により伝導性が抑制され、格子が正方晶から単斜晶へ変化する。現在この構造転移と電子転移の結合を説明する試みが行われており、そうした試みでは、電子–格子ダイナミクスの不安定性によって駆動されるパイエルスMITと、強い電子–電子相関が電荷局在化をもたらすモットMITのいずれかが出発点となっている。VO2の謎の解明に欠けている重要な部分は、格子振動の役割である。さらに、包括的な熱力学的取扱いには、転移のエントロピー的側面とエネルギー的側面の両方を統合しなければならない。今回我々は、VO2のMITを駆動するエントロピーが、電子的寄与ではなく強い非調和フォノンに支配されることを報告し、フォノン分散を直接的に決定している。我々の第一原理計算の結果から、単斜晶相よりも正方晶相で弱まる結合が、金属ルチル相を安定化する大きな振動エントロピーの起源として特定されている。さらに、金属における高いエントロピーと絶縁体における軌道に駆動される低いエネルギーの釣り合いによって、MITを制御する熱力学的な力がどのようにして完全に記述されるかが明らかになっている。今回の研究は、金属酸化物の相競合における非調和格子ダイナミクスの重要な役割を例示し、新材料を予測して設計するための指針を与えるものである。

