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ゲノム進化:魚類アフリカンシクリッドの適応放散に関わるゲノム基質
Nature 513, 7518 doi: 10.1038/nature13726
シクリッド類は、東アフリカ大湖沼群において大規模かつ多様で反復的な適応放散を遂げていることで有名な魚類である。シクリッドの表現型の多様性の基盤となっている分子機構を解明するため、我々はアフリカンシクリッド5系統のゲノムおよびトランスクリプトームの塩基配列を明らかにした。対象は、多様性の低い祖先系統のナイルティラピア(Oreochromis niloticus)、ならびに4種類の東アフリカ系統 、すなわちNeolamprologus brichardi/pulcher(古い放散、タンガニーカ湖)、Metriaclima zebra(最近の放散、マラウイ湖)、Pundamilia nyererei(極めて新しい放散、ビクトリア湖)、およびAstatotilapia burtoni(タンガニーカ湖周辺の河川種)である。分析の結果、東アフリカ系統には、ティラピアを含む他の硬骨魚類と比較して、過剰な遺伝子重複、多くの非コードエレメントの多様化、コード配列の加速進化、転移因子の挿入に伴う発現の多様化、および新規マイクロRNAによる調節が認められた。また、ビクトリア湖産の近縁の6種を代表する60個体に関して塩基配列データを分析した結果、コードおよび調節変異領域へのゲノム規模の多様化選択も明らかになり、その一部は祖先多型に由来することも示された。以上のことから、東アフリカのシクリッドゲノムは多数の分子機構によって形作られたものであり、純化選択の緩和の時期に集団中に多型状態で存在していた変異(standing variation)の蓄積がその後の進化的多様化の促進に重要であった可能性があると我々は結論する。

