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細胞生物学:タンパク質合成と分解のmTORC1による協調的な調節
Nature 513, 7518 doi: 10.1038/nature13492
真核細胞は同化と異化の過程を協調的に制御して細胞と組織の恒常性を維持している。mTORC1(mechanistic target of rapamycin complex 1)は、タンパク質合成などの、栄養素を消費して行われる同化過程を促進する。今回我々は、マウスとヒトの細胞でmTORC1を活性化すると、タンパク質合成が亢進するだけでなく、タンパク質分解活性も上昇することを明らかにする。mTORC1が活性化された細胞では、プロテアソームのサブユニットをコードする遺伝子の発現が全般的に増加するために、活性を持つ完全なプロテアソームの量の増加が見られた。プロテアソーム遺伝子の発現や、細胞のプロテアソーム含量、mTORC1の下流のタンパク質代謝回転速度の上昇は、いずれも転写因子のNRF1(nuclear factor erythroid-derived 2-related factor 1;別名NFE2L1)の誘導に依存している。腫瘍抑制因子TSC1(tuberous sclerosis complex 1)やTSC2の喪失によりmTORC1を遺伝的に活性化するか、増殖因子類や給餌によりmTORC1を生理的に活性化すると、細胞や組織でNRF1の発現が増加した。NRF1に依存したこのようなプロテアソーム増加は細胞内のアミノ酸プールを増加させ、それによって新タンパク質を合成する速度に影響が及ぶことが分かった。従って、mTORC1シグナル伝達は、品質管理を目的として、また持続的タンパク質合成に基質を供給する機構として、プロテアソームを介したタンパク質分解の効率を上昇させる。

