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古気候:南極の氷河形成によって生じた始新世から漸新世への遷移期の海洋循環の変化

Nature 511, 7511 doi: 10.1038/nature13597

約3400万年前の始新世から漸新世への遷移期における地球寒冷化と南極氷床の急激な発達を説明するため、2つの主要な仮説が競い合っている。つまり、南大洋のゲートウェイが開いて生じた南極大陸の熱的隔離と、大気中 CO2 濃度の低下である。始新世から漸新世への遷移期における、代替指標に見られる海洋の温度成層と循環の増大は、ゲートウェイが開いたことを示す独特の特徴であると解釈されているが、今のところ両方の機構に可能性が残っている。本論文では、大気海洋結合モデルを用いて、古地理の変化ではなくむしろ南極の氷河形成の始まりが、観測された海洋学的変化を最もよく説明できることを示す。我々は、南極氷床の発達が、南極中層水の北向き輸送を強化し、南極低層水の形成を活性化して海洋循環を根本的に再編成したことを見いだした。反対に、ゲートウェイが開いて海洋の温度成層と循環に与えた影響はずっと小さかった。今回の結果は、ゲートウェイが開いたことではなく、CO2の減少が南極氷床の発達の原因であることを示す利用可能な証拠を裏付けており、さらに、こうしたフィードバックが海洋循環を変えたことを示している。氷河形成の正確な時期と速度、ひいてはその海洋循環への影響は、潜在的に正のフィードバック(海氷域の増大と一次生産力の向上)と負のフィードバック(より強い南向きの熱輸送と局所的な高緯度域の温暖化)の間のバランスを反映している。南極氷床は、海洋循環とその開始期の熱フラックスに複雑で動的な役割を担っており、こうした過程が将来働く可能性が高い。

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