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がん:共有結合性CDK7阻害剤でがんの転写制御を標的とする

Nature 511, 7511 doi: 10.1038/nature13393

がん遺伝子の中には、基本転写装置を転用してがん化状態を持続させる転写因子があるが、薬剤によって転写因子を直接阻害する試みは、これまでのところうまくいっていない。しかし、転写装置には酵素作用を持つさまざまな補因子が含まれており、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)類をはじめとしたこうした補因子は、新しい候補治療薬開発の標的になり得る。本論文では、共有結合性CDK7阻害剤THZ1の発見と特徴付けについて報告する。THZ1は、標準的キナーゼドメインの外にある遠隔のシステイン残基を標的にするという前例のない作用を持ち、CDK7に対する選択性を予想外の方法で実現している。がん細胞株のプロファイルから、ヒトT細胞急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)など一部のがん細胞株が、THZ1に対する感受性が並外れて高いことが明らかになった。ジャーカットT-ALL細胞の全ゲノム解析により、THZ1がRUNX1の転写に例外的に強く影響することが分かり、THZ1に対する感受性の原因が、RUNX1スーパーエンハンサーのもたらす脆弱性および、こうしたがん細胞の主要な転写調節回路におけるRUNX1の重要な役割による可能性が示唆された。従って、CDK7のキナーゼ活性の薬理学的操作が、転写に依存してがん化状態を維持するタイプのがんの発見や治療に役立つ新しい方法につながるかもしれない。

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