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神経科学:視覚野ニューロン全体での興奮–抑制比の均一化

Nature 511, 7511 doi: 10.1038/nature13321

哺乳類大脳皮質における2つの相反的な活動であるシナプスの興奮と抑制の関係(E/I比)は、視覚特徴の選別やゲインといった多くの皮質機能に影響を及ぼしている。個々の錐体細胞は、皮質活動のレベルが変動しても、時がたつうちに安定なE/I比を示す。これは、興奮が増すと、抑制性ニューロンの動員が増加することにより抑制が比例して増えるためで、この現象を興奮–抑制バランスという。しかし、錐体細胞全体でのE/I比の分布については、ほとんど分かっていない。軸索の分岐度が高いため、抑制性ニューロンは近傍にあるほとんど全ての錐体細胞と無差別に結合を作っている。抑制は一様に分布しているのだろうか、それとも個々の錐体細胞が受ける興奮性入力の量の差に応じて、抑制量も個々に調整されているのだろうか。今回、マウスの一次視覚野で、第2/3層の個々の錐体細胞は、受ける興奮と同様な比率で抑制を受けていることが分かった。その結果、錐体細胞全体でのE/I比は等しく保たれる。この抑制の調整は、パルブアルブミンを発現する抑制細胞が仲介しており(ソマトスタチン発現細胞は関与していない)、異なる錐体細胞を標的とする個々のパルブアルブミン発現細胞から発するシナプスでは、シナプスごとの独立した調整の結果として起こる。さらに、この適合は活動依存的で、錐体細胞の活動を乱すと阻害される。従って、錐体細胞全体にわたるE/I比の均一化から、シナプス強度の空間的分布に予想外の秩序があることが明らかになり、また、皮質の興奮と抑制という2つの相反する活動間の関係は、時間的だけでなく空間的にも安定化されていることが示された。

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