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遺伝学:細胞増殖制御とリンパ腫発生におけるMycによる選択的な転写調節

Nature 511, 7510 doi: 10.1038/nature13537

がん原遺伝子c-mycの遺伝子産物であるMycは転写因子であり、ゲノム上の数千の遺伝子座に結合する。最近の研究では、Mycは特定の遺伝子群を選択的に上方または下方制御するのではなく、ゲノム中のあらゆる活性化プロモーターおよびエンハンサーを標的とし(「侵入(invasion)」と呼ばれる現象)、転写の一般的な増幅因子として働くことが示唆されている。しかし、これまでに得られたデータでは、RNA生合成に対するMycの影響が直接か間接かを容易に識別することができなかった。我々は、全ゲノムクロマチン免疫沈降法とRNA発現プロファイルを用い、マウスでのB細胞リンパ腫発生中、および培養B細胞と繊維芽細胞でこの問題を検討した。従来の所見と一致して、活発に増殖している細胞と対照の静止期の細胞とを比較したときに、細胞ごとの全RNAまたはメッセンジャーRNAのコピー数に一般的な増加が検出された(以降「増幅」と呼ぶ)。これは細胞が分裂促進因子(増殖応答に対して内在性のMycを必要とする)によって刺激された場合でも、脱調節された発がん性Myc活性により刺激された場合でも同じであった。MycによるRNA増幅およびプロモーター/エンハンサー侵入は、別個の現象であり、どちらか片方だけでも起こり得る。さらに、RNA増幅との関連の有無にかかわらず、Mycは標的遺伝子の異なる亜集団で差別的な発現を促した。従って、Mycはゲノム中の全ての活性化した、あるいは平衡状態にある調節エレメントと相互作用できると考えられるが、Mycは全体的な転写増幅因子として直接的に作用するわけではない。我々の結果は、Mycが個別の遺伝子セットの転写の活性化および抑制を行って、その結果細胞状態を変化させ、それが全体的なRNAの産生と代謝回転にフィードバックする可能性があることを示している。

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