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物性物理学:トポロジカル絶縁体によって発生するスピン輸送トルク

Nature 511, 7510 doi: 10.1038/nature13534

磁気デバイスは、高密度化と高速化が可能で消耗しない不揮発性メモリー/ロジック技術を実現させる有力な候補である。しかし、磁気メモリーやロジックデバイスの幅広い応用には、最小限の電流と電力で磁化を再配向させる効率的な機構の開発が必要である。最近、この取り組みにかなりの進展が見られた。特に、重金属層/強磁性体層という2層系におけるスピン軌道相互作用が、重金属におけるスピンホール効果あるいは強磁性体におけるRashba–Edelstein効果を通して、磁性体層上に強い電流駆動トルクを発生させる可能性があることが見いだされた。さらに効率の高いスピン軌道誘起トルクを発生させる材料を求めて、トポロジカル絶縁体を勧める提案がいくつかなされた。トポロジカル絶縁体は、電子スピン配向が伝搬方向に対して固定されるという意味で、スピン軌道結合効果が最大となる表面状態を持つ。今回我々は、室温でトポロジカル絶縁体セレン化ビスマス(Bi2Se3)の薄膜の面内に流れる電荷流が、隣接する強磁性体パーマロイ(Ni81Fe19)薄膜上に、強いスピン輸送トルクを実際に及ぼし、その方向はトポロジカル表面状態から予想される方向と一致することを示す実験について報告する。我々は、Bi2Se3の単位電荷流密度当たりのトルクが、これまで測定されたどのスピン輸送トルク源よりも強く、しかも表面状態とバルク伝導とが共存する理想的でないトポロジカル絶縁体膜よりも強いことを見いだしている。トポロジカル絶縁体を用いれば、メモリーやロジックデバイス用に、磁性物質を室温で非常に高い効率で電気的に操作できる可能性があることが、今回のデータから示唆される。

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