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神経科学:C. elegansのPunctinはシナプス後領域がコリン作動性になるかGABA作動性になるかを指定する

Nature 511, 7510 doi: 10.1038/nature13313

ほとんどのニューロンは非常に大量のシナプス入力を受け取るため、ニューロンの膜は特殊化した微小領域のモザイクとなっていて、各領域には対応するシナプス前側神経伝達物質放出部位に合った神経伝達物質受容体が集まっている。シナプス前側とシナプス後側の領域が多くの場合に協調して分化することは、ニューレキシンやニューロリギンのような膜結合タンパク質間でのシナプスを介した相互作用の存在を示している。線虫の一種であるCaenorhabditis elegansの神経筋接合部(NMJ)は、神経伝達物質受容体の分離を解析するための遺伝学的操作を行いやすい系である。それは、筋細胞がコリン作動性ニューロンから興奮性支配を、GABA作動性ニューロンからは抑制性支配を受けているからである。今回我々は、哺乳類のpunctin-1punctin-2のオルソログであるC. elegansCe-Punctin/madd-4が、神経で分泌されるタンパク質アイソフォームをコードしており、これらがNMJのシナプス後領域が興奮性になるか抑制性になるかを指定していることを明らかにする。これらのタンパク質は、ADAMTS(a disintegrin and metalloprotease with thrombospondin repeats)様ファミリーに属している。これは、ADAMプロテアーゼに似ているがタンパク質分解活性を持たない細胞外マトリックスタンパク質群である。Ce-Punctinを欠失させると、シナプスのアセチルコリン受容体、GABAA(γ-アミノ酪酸A型)受容体の分布が変更されてシナプス外クラスターが生じるが、ニューロンのシナプス前側ボタンは変化しない。プロモーターが異なると、異なった機能を持つ多様なCe-Punctinアイソフォームが生じる。コリン作動性運動ニューロンとGABA作動性運動ニューロンでは短いアイソフォームが発現され、興奮性NMJと阻害性NMJに存在するが、長いアイソフォーム類はコリン作動性運動ニューロンだけで発現され、コリン作動性NMJだけに局在する。これらアイソフォームの発現の差異が、シナプス前領域、シナプス後領域の特性の一致を制御しており、短いアイソフォームを特異的に破壊すると、GABAA受容体がGABA作動性シナプスからコリン作動性シナプスへと配置換えされる。一方、長いアイソフォームをGABA作動性ニューロンで発現させると、アセチルコリン受容体がGABA作動性NMJへと誘導される。これらの結果は、Ce-Punctinがこれまで知られていなかったシナプスオーガナイザーであることを明らかにしており、シナプス前領域とシナプス後領域の特性をin vivoで遺伝学的に切り離せることを示している。ヒトのpunctin-2は統合失調症の候補遺伝子であることが突き止められているので、ADAMTS様タンパク質は哺乳類の中枢神経系でもシナプスの構成を制御している可能性がある。

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