細胞生物学:PINK1によってリン酸化されたユビキチンがパーキンを活性化する
Nature 510, 7503 doi: 10.1038/nature13392
PINK1(PTEN induced putative kinase 1)とPARKIN(別名PARK2)は、劣性遺伝性若年性パーキンソン病の原因遺伝子として同定されている。PINK1は膜電位を失ったミトコンドリアに特異的に蓄積するSer/Thrキナーゼであり、一方、パーキンはミトコンドリア上の基質にユビキチンを連結するE3ユビキチンリガーゼである。PINK1はパーキンの上流因子として機能し、細胞質に局在する不活性型E3パーキンの活性化と、膜電位を失ったミトコンドリア上へのパーキンの移行の両方に不可欠である。最近、PINK1およびパーキンが担うミトコンドリアの品質管理機構が明らかになり、またPINK1依存的なパーキンのリン酸化が報告された。しかし、リン酸化を模倣したパーキン変異体でもパーキン活性化におけるPINK1の必要性は解消されず、PINK1が損傷を受けたミトコンドリア上でパーキンのE3活性を促進する仕組みはいまだ明らかになっていない。本論文では、ユビキチンがPINK1の真の基質であることを報告する。PINK1は、in vitroでも細胞でも、ユビキチンのSer 65をリン酸化する。また、内在性ユビキチン由来のSer 65リン酸化ペプチドは、ミトコンドリアの膜電位が低下した細胞で、PINK1の存在下でのみ検出された。意外なことに、細胞では、リン酸化を模倣したユビキチンは、リン酸化を模倣したパーキン変異体のPINK1依存的活性化を必要としなかった。その上、リン酸化を模倣したユビキチンは、in vitroにおいてパーキンの存在下で、UBCH7(別名UBE2L3)とユビキチンによって形成されるチオエステル抱合体(UBCH7~ユビキチン)の解離を促進し、これはリン酸化模倣ユビキチンがアロステリックに機能することを示している。ユビキチンとパーキンはリン酸化依存的に相互作用するので、触媒部位のシステインに対する自己阻害をリン酸化ユビキチンが解除すると考えられる。我々の結果は、パーキンとユビキチンの両方がPINK1依存的にリン酸化されることがパーキンE3の完全な活性化に十分であることを示している。これらの知見はリン酸化ユビキチンがパーキンの活性化因子であることを実証している。

