Letter

地球:海洋低速度層の初期融解時の電気伝導度

Nature 509, 7498 doi: 10.1038/nature13245

上部マントルの低粘性層であるアセノスフェアは、プレートテクトニクスに必須である。アセノスフェアの地震波低速度と高電気伝導度の原因は、カンラン石鉱物の準固相の水に関連した欠陥か、数パーセントの部分溶融であるとされているが、こうした2つの解釈には欠点が2つある。第一に、カンラン石に保存される水の量は、中程度の温度でパーガス閃石質角閃石を含む他のマントル相との分配と、高温における部分溶融のために、50 ppmより多くなるとは思われない。第二に、メルトの体積分率の増大は、アセノスフェアで支配的な温度が低過ぎることと、メルトの移動度が高く重力的な分離が可能になることにより妨げられる。本論文では、マントル融解の開始時に一般的に生成される、二酸化炭素と水に富むメルトの電気伝導度を測定している。電気伝導度は、水と二酸化炭素の量が中程度であると、わずかに増加するが、メルト中の二酸化炭素量が6重量%を超えると劇的に増加する。従って、アセノスフェアで支配的と長い間考えられてきた初期のメルトは、アセノスフェアの電気伝導度を高くすることができる。我々は、マントルの水と二酸化炭素の枯渇の程度はさまざまであることと、初期融解の岩石学に対するその効果を考慮に入れて、さまざまなテクトニックプレートの年代に対してアセノスフェア全体の電気伝導度構造を算出した。その結果、電気伝導度の不連続面がいくつか予想されており、岩石学的および地球化学的に矛盾しない枠組みにおける地球物理学的観測結果と一致する。500万年以上前の中程度の年代のプレートでは、初期メルトはアセノスフェア上部の地震波低速度と高電気伝導度をおそらく生じさせるが、海山の火山活動が起きている年代の若いプレートでは融解の程度がより高いと予想される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度