Letter

細胞:2細胞期マウス胚の間期細胞質による核の再プログラム化

Nature 509, 7498 doi: 10.1038/nature13134

第二減数分裂中期(MII)で停止している未受精卵への体細胞核移植(SCNT)による哺乳類クローニングの成功は、体細胞核に全能性を誘導できる細胞質再プログラム化因子の存在を証明している。このような母性因子はほとんど明らかになっていないが、前核期の受精卵の細胞質が不活性であることが報告されていることから、おそらく受精後速やかに減少すると考えられている。最近示された証拠は、受精卵の細胞質が中期に維持されていれば、効率が低いものの、SCNT後の胚性幹(ES)細胞樹立を補助できることを示唆している。このことから、決定的な卵再プログラム化因子は中期の細胞質に存在するが、間期の細胞質には存在せず、間期では核の中に「捕捉されて」おり、除核により効率的に取り除かれるという結論が導かれる。本研究では、間期の2細胞期マウス胚(I2C)の細胞質における、再プログラム化活性の存在について調べた。まず、再プログラミング因子候補の存在を、無処理と除核した中期と間期の受精卵と2細胞期胚の両方で立証した。従って、除核は、間期の細胞質が再プログラム化を誘導できないことの適切な説明にはならない。 次に、移植した核(ES細胞、胎仔の繊維芽細胞、最終分化した卵丘細胞)とレシピエントのI2C細胞質の細胞周期の段階を慎重に同期させたところ、再構築したSCNT胚は胚盤胞とES細胞に発生し、そのES細胞は従来の生殖系列と四倍体キメラに寄与することができた。最後に、ES細胞核と組み合わせて再構築したクローン胚のレシピエントへの移植は、生きた産仔を生み出した。従って、I2Cの細胞質は効率的な再プログラミングを補助しており、その成功を決める最も重要なパラメーターはドナー核とレシピエント細胞質の間の細胞周期を同期させることである。提供胚や廃棄胚はMII期未受精卵よりもより利用しやすいため、SCNTで間期の細胞質を利用できることは、再生応用のために、ヒトの自己ES細胞を作製する取り組みに役立つかもしれない。

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