Letter
生態:植食動物と栄養素は光量制限を介して草原の植物多様性を制御する
Nature 508, 7497 doi: 10.1038/nature13144
栄養塩類の循環および植食動物群集の人為的変化は、全球の生物多様性に顕著な影響を及ぼしている。生態学の理論では、これら2つの変化は強く相反するものと予測している。すなわち、栄養素の追加は光をめぐる競争を激化させて植物種の消失を促進するが、植食動物は特に生産的な系で地表面に届く光量を増やすことによって競争排除を防ぐと考えられている。今回我々は、全球に対応する条件範囲にわたる実験データを用いて、富栄養化が引き起こす草本植物種の消失は、植食によって利用可能な光量が増加することで相殺されるという仮説を検証した。6大陸の草原40か所で同じ手順で実行されたこの実験から、栄養素と植食動物が相反する力として働き、光量の制限を介して局地的な植物多様性を制御する場合があること、さらに、この制御には実験場の生産力、土壌窒素、植食動物の種類および気候は無関係であることが実証された。栄養素の追加は光量制限を介して局地的な多様性を一貫して低下させ、また、植食は光量制限を緩和させることでその実験場での多様性を回復させた。従って、植食が地表面に届く光量を増加させている草原では、人為的な富栄養化による種の消失が緩和される可能性がある。

