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遺伝学:doublesexは擬態の超遺伝子である

Nature 507, 7491 doi: 10.1038/nature13112

性的二型性の最も印象的な例の1つに、チョウ類で見られる性限定擬態がある。これは、一方の性(通常は雌)は毒を持つモデル種に擬態するが、もう一方の性はそれとは異なった翅の紋様を示す現象である。性限定擬態は系統的にアゲハチョウ属(Papilio)で広く見られ、この属では雌の擬態多型を伴う場合が多い。多型のある複数の種で、翅全体の紋様の表現型は1個のメンデル型「超遺伝子」によって制御されている。超遺伝子が関係する擬態の進化動態については理論的研究がなされているが、擬態の超遺伝子が機能レベルでは実際にどのようなものなのかという重要な問題について、実験から得られたデータはほとんど存在しない。今回我々は、遺伝子地図や関連性地図の作成、トランスクリプトームやゲノムの塩基配列解読、および遺伝子発現解析を組み合わせた統合的手法により、シロオビアゲハ(Papilio polytes)の超遺伝子擬態は、単一の遺伝子doublesexによって制御されていることを示す。これは、超遺伝子が複数の密接に連鎖した座位から成るクラスターによって制御されているらしいという、長く信じられてきた説とは全く異なっている。遺伝子発現とDNAの塩基配列変異の解析から、アイソフォームの発現の違いがdsx擬態対立遺伝子の間の機能的な違いに寄与していること、さらに、タンパク質のアミノ酸配列の進化も何らかの役割を果たしていることが示された。これらの結果は、超遺伝子の実体に関するさまざまな仮説に含まれていた要素を統合するものであり、単一遺伝子は翅全体の紋様を異なる複数擬態表現型間で切り替えることができるが、そのためには複数の密接に連鎖した変異が必要となる可能性を示している。

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