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細胞:肺の発生、再生およびがんにおける肺胞の前駆細胞と幹細胞
Nature 507, 7491 doi: 10.1038/nature12930
ガス交換嚢である肺胞は、扁平な肺胞1型上皮(AT1)細胞および立方状でサーファクタント(surfactant)を分泌するAT2細胞に覆われている。古典的な研究では、AT1細胞はAT2細胞から生じると考えられていたが、最近の研究で、他の細胞起源が提案されている。今回我々は、分子マーカー、細胞系譜追跡およびクローン解析を用いて、マウスの一生にわたり肺胞の前駆細胞をマッピングした。発生過程では、AT1細胞もAT2細胞も二分化能を持つ前駆細胞から直接生じるが、出生後には、新しいAT1細胞は、自己複製能を持ち長寿命の少数の成熟AT2細胞から生じることが分かった。これらの成熟AT2細胞は、肺胞の再生ではゆっくりと拡大するクローン性細胞増殖巣となる。この幹細胞機能はAT1傷害によって広く活性化され、また、AT2の自己複製は、in vitroではEGFR(上皮増殖因子受容体)のリガンド類によって、in vivoでは効率的に多巣性のクローン性腺腫を発生させる発がん性Kras(G12D)によって選択的に誘導される。従って、出生後にはスイッチが切り替わって、AT2細胞が幹細胞として機能するようになり、肺胞の再生、修復および発がんに寄与する。我々は、局所的なシグナルがAT2の幹細胞活性を調節すると考える。つまり、EGFR-KRASによって伝達されるシグナルがAT2の自己複製を制御しているが、これは発がん過程で乗っ取られてしまい、一方、別のシグナルがAT1の運命への再プログラム化を制御している。

