植物科学:SRAドメインとSETドメインを含むタンパク質はRNAポリメラーゼVの存在をDNAメチル化へと結び付ける
Nature 507, 7490 doi: 10.1038/nature12931
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)でのRNA依存性DNAメチル化は、RNA POLYMERASE IV(Pol IV)による24ヌクレオチドからなる低分子干渉RNA(siRNA)の上流での合成と、Pol Vによる非コード転写産物の下流での合成に依存している。Pol V転写産物がsiRNAと結合して、これがDRM2(DOMAINS REARRANGED METHYLTRANSFERASE 2)を誘導してDNAをメチル化すると考えられている。SU(VAR)3-9のホモログであるSUVH2とSUVH9は、下流での段階に関わっているが、その作用機構は解明されていない。今回我々は、ゲノム全体にわたるPol Vとクロマチンとの結合には、SUVH2とSUVH9が両方とも必要であることを明らかにした。SUVH2とSUVH9はヒストンメチルトランスフェラーゼに似ているが、SUVH9にはペプチド基質の結合する溝がないことと、正常な触媒作用に必要なS-アデノシルメチオニン(SAM)結合ポケットが適切に形成されないことが、結晶構造から明らかになった。これらの特徴は、この2つのタンパク質にメチルトランスフェラーゼ活性がないことと一致する。SUVH2とSUVH9は共に、メチル化DNAに結合できるSRA(SET- and RING-ASSOCIATED)ドメインが存在し、これらがDNAメチル化を介してPol Vを誘導する働きをしていると考えられる。MET1(DNA METHYLTRANSFERASE 1)に変異が生じるとDNAメチル化が起こらなくなり、Pol Vが正常な位置にほぼ完全に結合しなくなり、過剰にメチル化された部位にPol Vが再配置されることは、このモデルと一致する。さらに、メチル化されていない部位にジンクフィンガーによってSUVH2を結合させると、それだけでPol Vが誘導されてDNAメチル化が起こり、遺伝子のサイレンシングが起こる。これらの結果は、Pol Vが、メチル化DNAに結合するSUVH2とSUVH9というタンパク質を介してDNAメチル化部位へと誘導されることを示している。機構に関するこれらの知見は、植物ゲノムの特定の領域を選んで、エピジェネティックなサイレンシングの標的にする方法を示唆している。

